レッズ・エララ神話体系 中世篇「時雨とエヴィル」TRPG ルールブック(基本骨格編)
●レッズ・エララ神話体系TRPGとは?
このTRPGは、中の人(同人サークル・8TR戦線行進曲)が制作した、基本ソロプレイ仕様の「与太話シチュエーション生成アナログゲーム」です。
ひとつでも多くの与太話ネタ(=神話)を生成するのが、制作の動機であり、最終目標です。
ゲームタイトル「アカシックレコーダー(Akasic Recorder)」
あなた(プレイヤーのこと。キミ。貴様。)は、中世時代に完成し、その後のレッズ・エララ世界に甚大な影響を及ぼした13巻の同人誌:
『レッズ・エララ神話体系』
を書くために、「黒魔術師」エヴィルとなって(基本的に)、剣聖少女・時雨と一緒に、世界の事物や風土を観る旅をしています。
あなたは、世界の事物や風土、怪奇幻想、意志あるひとたちの姿形、闘争の果て、神々の戯れなどを観察します。世界のそれらはあまりに膨大なので、あなたは学者らしく「カードシステム」を用いて、レッズ・エララの様々な事柄を蒐集します(民族学者・梅棹忠夫のフィールド調査的に)。
あなたは、「それ(事物ひとつ)」について、考察し、解説し、カードを執筆しなさい。
●ゲームシステム
必要なもの
・6面体ダイス(6D 一般的なサイコロ)1個
・メモ帳(アナログ、デジタルは問いません。キャラクターシート用と、分岐メモ用に最低2枚は必要です。ただのA4コピー用紙で構いません)
・リプレイ投稿用のネットサービス(出目&分岐メモだけなら、twtterなどのSNSでも構いませんが、リプレイ小説テキストを載せるには、ブログといった長文投稿システムが望ましいでしょう)
あなたは、4つの「カード」を、ダイスを振ってつくります。
カードの種類(カテゴリ)は4つに分けられます。
(1)場名カード
(2)奴ばらカード
(3)Good/Bad判定
(4)形容詞カード
(1)場名カード
「それ」が登場する場所、風土を決めます。神話におけるシチュエーションの決定です。
例えば、「洞窟」「空(空中都市)」、「港」「海上」「異次元」「雪中」……
(2)奴ばらカード
出てくるキャラを決めます。
プレイヤーキャラ(もともとのレッズエララ中世シリーズの脇役)でもいいですし、まったく新しいキャラメイクでも構いません。
例えば、「剣士」「竜」「盾マスター」「銃使い」「魔法使い」「獣」「神」「市民」とか
まずは、(1)場名、と(2)、奴ばら、を決めてみましょう。
例えばテストプレイ(中の人がローカルでやってみた)だと、
(1)洞窟、(2)竜
でした。
カードには、あらかじめ番号が振られています。ダイスの出目によって、どのカードが出るか、を決定します。当ブログ記事の「カード」記事には、当然、この番号が振られています。「カード」記事の1記事が、カードに該当します。
で、(1)と(2)だけ決めても、与太話はあまり思い浮かびません。なので、物語の「方向性」を決めます。
(3)good/bad判定 と (4)形容詞カード、です。
(3)good/bad判定
あなたは、ダイスを振って、その出目によって「good(良いのぅ……!)」もしくは「bad(うぅむ、悪いんじゃぁ……)」の方向に物語をつむいでいく必要があります。これはあなたの義務です。
ダイスの出目の一例ですが、
1……ほのぼのgood
2……感動good
3……シュールコメディgood
4……苦い引き分けbad
5……酷いブラックギャグbad
6……荘厳シリアスbad
みたいに
(4)形容詞カード
ここまで、(1)洞窟、(2)竜、(3)=4、苦い引き分け
だったとします。
(4)形容詞カード、ですが、シチュエーションの「お題」を決めます。
「薬」「蒸気機関」「時間」「書物」「天気」「湿度」……などなど
この形容詞カードですが、出たお題を使って、必ず「good/bad判定」にのっとった方向性で、物語を進め、終わらせる必要があります。
たとえば、今回のローカルテストプレイだと、「教会」が出ました。
で、だいたいこういう物語になります。
(テストプレイリプレイ)
……時雨とエヴィルが洞窟を探検していると、狭い奥まったところに、傷ついた竜が横たわっていた。誇りある死を望む巨竜は、こんなせまっ苦しいところで、対決を望む。時雨は見事にそれを果たし、このどん詰まりを大聖堂とし、巨竜の躯を弔うのであった……
さて、バトル必至な展開ですね。
ここで、バトルシステム「v.s. 我流シュトフィール・改」が出ます。
バトルシステム「v.s. 我流シュトフィール・改」
まず、どんなバトルになろうと、「時雨が勝つ」のがルールです。これは、そういうゲームなので、納得してください(ひどい
そう、これは「バトルシチュエーション・ネタジェネレータ」なんです。
まず、「フィールド」と「キャラ」を、先のでもう決定しているので(決定してなかったら、またメイキングしなおす)、次に策定するものがあります。
それは「good/bad判定」と「必殺技ジェネレータ」です。
「good/bad判定」は、次に述べる「必殺技」がそのターンで成功するか否か、の判定です。
(あ、通常攻撃でやるのもokです。ただ、キモが「必殺技」なので、今回展開の図式を簡略化しています)
必殺技ジェネレータ、ですが、これは、当該シナリオの登場キャラの技を決めるっていうものです。基本、必殺技は1つです。
まず、あなたは以下の項目を設定します。
- 「攻撃」
- 「防御」
- 「速度」
- 「距離」
「攻撃」ですが、以下の4つに、必ず「合計数が6になるように」ダイスを割り振ってください。小数分割記述は不可です。なぜなら、作成者(中の人)が計算障害だからです。九九が出来ると思わないでください。
(遠・強)
(遠・弱)
(近・強)
(近・弱)
時雨の数値は、あらかじめ決まっています。
(遠・強)1
(遠・弱)1
(近・強)3
(近・弱)1
この数値は、ダイスの確率数値です。つまり、時雨は「近距離、強ダメージ」がとても出やすいキャラです。典型的な抜刀斎ですね。
次に、「防御」。これは、基本「A」~「C」に、+と-をつける感じでやりましょう。Sはあまり出さない方が良いと思いますマンチ的に。
時雨の防御はC-です。紙装甲です。鎧を一切付けていない白ロングスカートワンピースですし……。
そして「速度」。これは時雨はもうSなんですが(ぉぃ)
この速さも、同じようにA~Cで決めていきます。でも、時雨が先手を取りますけどね、9割8分の展開で。そりゃそうですよね。
この「速度」ですが、先手後手と共に、「攻撃量の多い・少ない」をも決定します。FF3のHIT数みたいなもんですが、これが多いほど、「ズガガガガガ!」連続ヒットが可能です。なお時雨は多いです(ぉぃ
最後、「距離」です。
これが戦略性を深くするシステムなんですが、あなたはダイスを振って、相手との距離を定めます。1~6の出目が、そのままメルトル換算されます。
つまり、1メルトルは、最接近、6メルトルは、遠距離間合い、です。
ここまで出た情報で、必殺技を作っていきます。
例えば、洞窟の竜の場合。まず攻撃を割り振ります。
竜は、
(遠・強)2
(遠・弱)1
(近・強)1
(近・弱)2
死にかけですが、口からはく炎はやばい、っていうやつです。臓腑が腐れている可能性もありますね。半面、接近の爪(ドラゴンクロー)の威力が削がれています。
防御ですが、B-にしておきます。これは巨竜にとっては屈辱もんですが、死にかけという設定なので、仕方がない。むしろ、防御を弱くしたことによって、「簡単に勝負がついてしまう」というデメリットがあります。荘厳な弔いで八百長っぽさを出したくない、という事前物語設定では、ちょっとやりづらいです。
で、速さ。これはCです。ほぼ動けません。ああ、やりづらい。
距離ですが。今回、出目は4(メルトル)でした。まあまあの距離、っていうものです。時雨があえてとった距離、という説もあります。リプレイ小説テキストに活かしていきましょう。
さて、バトル開始です。
どうせ時雨が先手です。懐に踏み込むのは簡単ですが、それでも相手は竜!慎重に……(というテイです)。
……しかしそれは正解でした。竜、一世一代の「ラスティフレイム(錆炎)」。刀で受けたら、ひどいことになる「錆びつかせる炎」です。時雨、回避行動をとります……
このターンでは決着はつきませんでした……
……というバトルになります。
なお、「2個以上、必殺技を作ったんだけど!」ってな場合は、GMに要相談です。ていうか2つも必殺技が作れるくらいキャラメイク盛り上がったんなら、もうTRPGでジェネレータするより先に、はよリプレイ小説テキスト書いていこうぜ!仔細プリーズ!ってな話ですがw
なお、必殺技2つ以上の場合、どのタイミングでどの必殺技を出すかは、ダイス判定します。言わずもがなマンチ封じで。
こういうのを繰り返して、セッションが終わったとします。
終わったら、リプレイを書いたほうがいいです。ていうかリプレイを書くための与太話ジェネレータTPRPGなんですからこれは……。
まあ、それがめんどくても、最低限「ダイスの出目とキャラ設定、物語分岐」だけはメモっておいてください。
リプレイを書き、そして、そのリプレイをさらに「簡易にまとめた」カードを作ります。ブログ記事として。そのカードは、次回以降のセッションで、1カードとして使用可能となります。やったね!神話が増えたよ!
ということで、スチームパンクな設定を増やしたかったら、そうなりそうなシナリオを。砂塵アラビックにしたかったら、そういうロールを。そうすることによって、神話与太が増えていきます。
なお、「このカードが収められた莫大な書庫」のことを、「アカシックレコード」と呼びます。
すべてのカードはアカレに収まっています。が、カードとダイスが紡ぐ物語の分岐までは、アカレには記されていないわけです……。
さあ、ページをめくるために、骰子を転がし、カードを蒐集したまえ。