書誌情報
同人誌刊行サークル名:RedsElrla Publishing
レッズ・エララ神話体系 中世篇「時雨とエヴィル」シリーズ
同人誌「雨とハープシコード」
全14ページ(表紙など含)
2021/10/16刊 お手製コピー本
先日、ホームページで新作まんが「Port Sacevo,Phantasmagoria」をupしました。
これは現代/近未来篇「ほうき星町」シリーズ外伝「蒼の世紀」のお話です。成長した竜胆ミズとその相方のエンジニア少女・ペコの百合デート少女漫画です。ちなみに、noteやpixivにも投稿しております。
そしてレッズ・エララの連ツイ小説&告知用ついったーにも本文を投下しました。そこで年始のご挨拶と共に頂いたご感想で、次のようなことばがありました。
「照れる最強、良き」
この「照れ」ているのは竜胆ミズです。作中でペコの「恋の威力」に触れ、とても照れております。お読み頂いて有難うございます。
そして読者の方が表現された「最強」というのもミズのことです。さて、ここでレッズ・エララ的にQ&Aが成り立ちます。
質問(Q)「竜胆ミズはレッズ・エララ世界の最強足り得るのでしょうか?」
回答(A)「それは完全にあり得ないが、この質問自体が面白すぎる」
大前提としてまずお話しますと、読者の方が誤読していて困る、という話ではございません。ましてや誤読っぷりを作者たる私・残響が面白がっているという訳はありません。もしそう受け取られていたら申し訳ないです。
というのも(常連さん向けトーク)、レッズ・エララの世界的に「世界最強」って今まで決まりきっていたじゃないですか。中世においては【剣聖】時雨・紙折・シュトフィール。現代においては「神討ち」共…セリゼ・ユーイルトットや剣崎月読といった面々。
でも、漫画作品「Port Sacevo〜」内では、こういう説明描写は一切されていませんからね。ここ最近の漫画作品群だけでは、レッズ・エララの最強存在って単純に分かりづらいと思います。世界観の事前情報説明が漫画作品ではされていないので、まんがだけだと「最強の力(【消去】の能力)を持つ」ミズが「最強」、と読解されるのも自然なのですよ。いやもう20年近くレッズ・エララをやっていると、この最強をめぐるくだりって自分の中で当たり前になっているから、改めてこうご指摘をいただくと新鮮な驚きがあります。本当に。
さて。レッズ・エララにおけるこの「世界最強」を巡るお話って、少なくとも作者にとってはとても面白い、興味深いものなのです。
まず、読者さんが「竜胆ミズは最強なのだろうな」と読解されたこと、これは漫画作者として「成功した」と判断出来ることです。というのもこの漫画作品は「ミズが強キャラの風格を出している」と読み手に認識されなかったら、そもそも成り立たない話だからです。この強キャラ感からの上記「照れ」への落差が作劇上のギミックとして導入しておりますから。
そしてミズは「強キャラ」ではありますが、「最強」ではありません。「天才」でもありません。魔導においては中世のエヴィル、膂力と魔力の絶対量においては義母・セリゼ、武術においてもキギフィに絶対に及ばないのが竜胆ミズです。彼女は天才ではありません。ただ、生まれつき宿している「消去」の能力がひたすら「化け物」である、というのみなのです。
漫画作中でもこれは描写したのですが、その己が身の「化け物」性がこれまでどれだけの人を苦しめたか。そんな自分は虚無ではないのか、というのが、ミズが抱えている「自己否定」です。自己肯定感の虚無です。そしてミズの最大の魅力というのは、そんな化物たる自分をどうにかこうにか努力して、少しでも人間として「尊くあろうとする」意志と行動であり、周りの人間はそこからにじみ出る威風(カリスマ)を、真に貴族的な尊いものだ、と思うのです。ミズの努力は「最強になる」ことを目的としていません。義母・セリゼのようなひとを目指して「尊くあろう」とする道程にこそ目標があるのです。
そこも含めてミズが「強キャラ」であるのは当たっているのですが、「最強」ではないのです。ミズの持っている能力はレッズ・エララ最強の能力ですが、彼女自身がその能力を愛していない。ミズは【消去】の力を「たまたま持っているだけに過ぎない」と考えています。そしてそれは主観的にも客観的にも事実で正しいのです。
もし。もし、ミズが【消去】の能力のエキスパート足らんとして、自らの意志でもって世界の破壊者…「消去者」と成ろうとし、闇の努力を重ねてきた世界線のミズであれば、ひょっとしたら「神討ち」レベルの世界最強クラスに成れたのか……?は、ワンチャンあり得るのかもなぁ、くらいの可能性です。
そして、その世界線に行き着く可能性は確実にありました。ほうき星町にやってきた(来襲)時の、世界と自分自身に絶望していた幼少時のミズのことです(BGM:ガールイズディサピア)
(「ガールイズディサピア」は3曲目)
しかしミズはセリゼの養女になることを選びました。世界の敵になる世界線を選ばなかったのです。自らの内に薄暗いものを宿しながらですが、それでもそんな自分を克己していこうとする茨の道の世界線です。
ミズにとって「世界最強」であることは意味がありません。己に勝ち、人を愛そうと努めることことこそが大事なのです。
さらに言うと、幼少期ミズを煮詰めた「世界の敵」「破壊者、消去者」のミズであったとしても、本当に世界最強になれるのかいな?という疑問が残ったりします。本気で殺意と暴力を煮詰めた権化といえるセリゼでもって、ようやく世界最強の冠を頂ける、というのがレッズ・エララという世界です。そして実はセリゼも、世界最強に成ろうとして成ったクチではないのです。これ以上はレッズ・エララにおける「狂気、妄執とは何か?」という別のQ&Aになってしまうのでここでは控えますが、少なくとも「世界最強」なのは現代ではセリゼなのです。それほどまでレッズ・エララにおける狂気、妄執というのは、致命的に重要な要素なのです。
「論理を越えて、狂気と妄執によって行動を起こし続ければ、何かには必ずなるよ……、ただし、貴方が望んだものドンズバとは限らないけどね……」
それがレッズ・エララ神話体系です。
結局ミズの「消去」の能力も同じで、ミズが望んで得た能力ではございません。生まれつき「お前はこうだから」と設定されたものです。全ては神々(あいつら)が悪い。ちなみに、ミズは神も消せます。そりゃあ、レッズ・エララの消しゴム機能として搭載したんですからねぇ。神々もまたレッズ・エララの上で存在している以上、そりゃそうですよ。やっぱあいつら(神々)が悪い。ミズはあいつら殴って良い。
意志の力、というよりは…陳腐な言い方になってしまいますが、人生観の問題ですね。ミズは「消さない」人生を選びました。いろんな物事をよく知って、世界と人生の解像度を上げて楽しんでいこう、という人生観です。
レッズ・エララにおける「強さ」ってかなり意志によって左右されます。意志の極点が狂気であり、妄執でもある、という話ですね。そもそもレッズ・エララ世界自体が、崩壊時空で狂った18柱の神々の妄想の具現化から始まったものですから、そりゃそうだ、というか。で、自分の能力(ちから)に自身で納得出来るか、っていうのも大事なファクターです。納得しきれなかったら、その分弱さを抱えるのも道理です。最強を目指すのに、苦労苦心しまくるだけでは到底たどり着けない、という残酷な面もあります。あらゆる修行の残酷さと申しますか。楽しむだけでは足りない。苦しむだけでも足りない。じゃあ狂気って何ですか? やっぱりここではちょっとこのことはQ&Aとしてズレますねw
まとめますと、ミズは強キャラではありますが、最強ではありません。もしかしたら最強に成り得た未来もワンチャンあったのかもしれませんが、そんなにレッズ・エララ(の狂気)は甘くはありません。それよりもミズが「尊くありたい」と目指す生き方そのものの方が、世界最強よりも強く、輝いて見える…と、作中の周囲の人々、例えばペコは、そう確信しているわけです。
例えば、ミズはいつもペコとイチャイチャして、あたかもヒモ的なムーヴをする飄々とした魔女として空中都市で通っております。「ミズ働け」というのは空中都市の鉄板ジョークです。しかし、そういう文脈を知らずにミズのことを侮る奴が居たら、空中都市の連中は総出でキレる。そのくらいのカリスマは当然ミズにあるわけです。
外伝「蒼の世紀」では、そんな次世代の輝きの尊さを描ければ良いなぁ、と思っております。
【謝意】音楽・ノベルゲームブログ「Nothing is difficult to those who have the will.」管理人・カナリヤさん、ありがとうございます。
「我流・シュトフィール」とは、時雨の養母・アリス・シュトフィールの剣を指す。
アリスは我流の癖にというか、我流の故にと言おうか、やたらに理論詰めて己の剣を鋭くした
なので限界のある剣だ。だが時雨はその剣を改造することで、母を継ぐこととした。よってその名を我流シュトフィール・改と為す
我流・シュトフィールの基本は「機動力と切断力に全振り」
一切の鎧を纏わず、喰らう前に刺す抜刀術
一撃の重みよりも、鋭い手数を多量と成せ
鎧があれば斬ってしまえ
首を刺せばそら死ぬぞ
関節バラせ、避けろ避けろ避けろ
巧くやれば何でも斬れる
……これをどこまでも真に受k………突き詰めたのが時雨だ
エヴィル「やれるもんならやってみぃ、な流派やの」
時雨「理論上は可能なんだよ。お母さんは言ってたよ」
エ「俺様も使う方便だが、いざ聞くとすげぇ胡散臭い」
時「夢見る心を忘れないで!で、ご存知の通り、我が流派には秘剣がございます」
エ「お、きたぞ」
時「地味な秘剣なんだけど」
エ「盛り上がらん話である」
時「だって、型の壱【撥条仕掛(クロックワークス)】って、乱撃ぶちこむのを高速精密にやるだけだもん」
エ「そう書けば地味だが、秒の間に敵の関節全刺しのアレは、なかなか派手ではある」
時「でもこれ、結局は基本技なんだよ」
時「数をブチこめ、鋭く刺せ、速く斬れ、っていう基本を大事に突き詰めたら【撥条仕掛】になるから」
エ「そんなレベルのもんかいな」
時「型の弐【風切り刃(エアロア)】からちょっと飛躍があるんだよね。【気】の応用変化だから」
エ「出たよ武の魔術」
時「【風切り刃】は斬撃を飛ばします」
エ「もう剣士が接近戦のみの時代は終わったって具合か」
時「斬撃飛ばせるようになったら世界が広がったね!」
エ「あえてツッコまん。次、型の参!」
時「型の参【延長線上(エクステ)】。刃を気で伸ばします。ほら、少ないおみおつけに味噌を足して伸ばす感じで」
エ「クッキング!?」
エ「ふと。弐・エアロアと参・エクステ、ちょっと似てないか」
時「そこに気づくとは、腕を上げたのぅ…」
エ「老境の達人ごっこはいいから」
時「エアロアは飛ばすけど、エクステは手元の調整が出来るんだよね」
エ「成る程。より精密で【斬】が出来るのはエクステか」
時「あとね、組み合わせ」
エ「組み合わせ?」
時「エアロアも、エクステも、【撥条仕掛】と組み合わせが出来るんだよね(註1)」
エ「…基本、っていうのはそういうことか。【無数の風切刃】も【延長刃の乱撃】も出来る」
時「なので肆(読:4)【断頭台(ギロチンブレード)】も同じだよ。これは刃の威力を気で重くする秘剣。この【断頭台】は我流シュトフィールの弱点【重さが足りない】を何とかするための剣だね」
エ「ん?なんか弱みをさらけ出すような言い方じゃないか」
時「怪力戦士には分(ぶ)が悪すぎますて。ま、鍛え上げた武(ぶ)で勝つんだけどね!わはは!」
(パーン! ←良い打撃音
時「ガールヘッドをハタくだなんて!」
エ「やかまし」
時「他にも秘剣はあるけど、まぁ割と地味だよ。そんなわけで、我流シュトフィール・改は、速く動いて鋭く斬る。気を使いながら…というお話でした」
エ「ご苦労。しかし…俺様は気づいてしまったのだが」
時「わたしもなんとなく。我流・シュトフィールは…」
エ「気遣いの剣……」
時「どっとはらい」
時「……えーっ!やだよ気遣いの剣だなんて!孝行娘のおままごとじゃん!あ、お母さんはしぬほど大好きだけど!(註2)」
エ「このままだと我流シュトフィール・改がマザコンの流派になっていきそうな予感である」
時「えーっ」
今日も平和だッ(終
※註1……肆「断頭台(ギロチンブレード)」と壱「撥条仕掛(クロックワークス)」の合わせ技は当然「重い連打」になる。しかしこれは主に敵の重量級連撃に対する苦肉の防御に使われる。そうせざるを得ない場面を、アリスも時雨も想定している。我流シュトフィールの攻撃力は「速い切断連撃」に他ならない
※註2……こういう発言を自然に口にするのが我らが時雨ちゃんである
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↑(本館ホームページ)
2020年、あなたが居るこの世界崩壊
↓
しばらく続くグレーノイズ無世界
↓
18狂神集結
↓
「レッズ・エララ」創造
↓
古代魔法文明
18狂神の分裂、神が「神的存在」へと、「薄まっていく(度重なる分裂)」時代
↓
「一般存在」の台頭、冒険による世界開拓、
神的存在の時代の終わり
革命、動乱、魔法、野蛮の時代
↓
歴史上初めて、神が殺された。「神討ち」登場。
同人誌『レッズ・エララ神話体系』全13巻出版、完結。この世界の「知」が完成する。
異次元に行った奴らが物凄くごく少数居た。
↓
ヴェイパーコフィン大量生産開始
カグヅチエフェクト理論に端を発する「一般現代魔法科学」理論体系完成。
人工生命心理学の発達、初のデジタル不老不死者の誕生
この時代の神討ち……8名。つまり8名は神が死んでる。
↓
ガージャーシャ・レチリパ、大学入学試験に落ちる。
「神を射出する銃火器」誕生
↓
マナの完全制御完了
虚数空間の確認
太陽黒点と異次元が結び付く
世界のリソース量に少し不安が診られた
↓
「二度とない365日」と呼ばれる、1年間の奇妙な戦乱が起こった。
次元アセンションの部分的成功、レッズ・エララ崩壊
↓
「自然」の幻想暴走が開始
「一般存在」の物理人口は最盛期の0.5割を割り込む
↓
極東魔王、永眠
このTRPGは、中の人(同人サークル・8TR戦線行進曲)が制作した、基本ソロプレイ仕様の「与太話シチュエーション生成アナログゲーム」です。
ひとつでも多くの与太話ネタ(=神話)を生成するのが、制作の動機であり、最終目標です。
(必要なものはだいたい上記の写真。あ、ダイスは普通の出目1~6の1個で全然大丈夫です。)
※中世編のTRPGゲームシステムはこちら
……Brahmacharya(禁欲)のざおうごんげん
あなた(プレイヤーのこと。キミ、貴様)は、
のいずれかになって、ほうき星町の中で1日を過ごします。
当然の如く例によってどいつもこいつも暇を持て余しているので、あなたはダイスを振って「ヒマ判定」をして、行動を決定します。
ちなみに、このゲームをしていて、いつでも「ヒマだなー」と思ったら、いつでも割り込む形で「ヒマ判定」をしてください。
ヒマ判定の〇×の作り方としては、シンプルに、「●●(行動)」と「●●(反対の行動)」でつくります。具体例でわかりやすく言いますと、
(ヒマだなー)
→「町を見てまわる」
→「家で過ごす」
これくらいのゆるさで結構です。とにかくダイスを振って、どちらかにします。ヒマな人間にとって、「どちらでもない状態」っていうのは結構キツいんだ……。
さて、ここでセリゼ・月読・フレアのどれを選んでも、仮に「町を見てまわる」(舞台シチュエーションの決定)としたところで、そこから何をしたらよろしいの?という話になります。
そこで、NUK分岐システムが出てきます(えぬゆーけー、と読みます)。
あなたは、セリゼ・月読・フレアの誰だとしても、その舞台で何か行動をするたびに、毅然とした意志ある行動をとってもらいます。
真に毅然とした行動とは、「のむ(呑)、うつ(打)、かう(買)」の三拍子です。
ただ、この三拍子も、キャラの趣味によって、見せる姿が相応に変わってきます(単なる欲望のグラデーションじゃねえか的なツッコミ禁止)
ヒマをつぶす→有意義なことをしよう
(1)食べる
(2)殴る
(3)遊ぶ
ヒマをつぶす→世界を見分しよう
(1)ヤニ(煙管をふかす)
(2)茶をしばく
(3)符を書く(東洋魔術行動)
ヒマをつぶす→何か物を作ろう
(1)模型キットを買う
(2)キットを作る
(3)メンテナンスをする
こうしたNomu(呑)、Utsu(打)、Kau(買)といった毅然とした行動を絶えずとっていくことにより、1日を豊かに過ごしていこうじゃないか、というのがこのゲームです。
プレイキャラ「セリゼ」
シチュエーション「町をみてまわる」
↓
ヒマ分岐「本屋に行く」
↓
×(行かない)
↓
意志の理由:NUK分岐システム
↓
ルート「打つ(Utsu)」
↓
セリゼ「まだ雑誌投稿ハガキの掲載は先だろ」
(ゲームブック雑誌の読者参加企画に投稿したセリゼだった)
↓
ヒマ分岐「湖に行く」
↓
〇(行く)
↓
行ってどうする:NUK分岐システム
↓
ルート「買う」
↓
セリゼ「アイスでも買ってぼんやりするか……」
↓
ヒマ分岐「駄菓子屋でストロベリーアイスを選ぶ」
↓
〇「ストロベリー、キミに決めたッ!」
↓
セリゼ、湖に立つ。
古いマントをしたまま苺アイスを食べるという、春の陽気も落ち着いてきた頃。
↓
ヒマ分岐「湖で遊ぶ」
※あまりにもヒマな展開だとプレイヤーが思い始めてきた
↓
〇
↓
こいつ(セリゼ)に何をさせる?:NUK分岐システム
↓
ルート「殴る」
↓
あまりにもヒマを持て余したセリゼが湖面に魔力をこめて殴りかかる!
↓
当然ながら湖の精霊、イーシィが見かねて登場
イーシィ「なんでそこまでヒマなんですかセリゼさん。もうちょっと有意義なことはないんですか」
セリゼ「正直反省している。不老不死というのはこういうことになってしまうんだ、勘弁してくれ」
イーシィ「やめてくださいよ、わたしも不老不死なんですから。お先真っ暗じゃないですか」
セリゼ「だよなぁ……ん? お前その話で言うと私を何気にdisってないか」
イーシィ「(ヤブヘビっちまった!という高貴な顔)」
結局は与太話生成システムというか、話のネタに困ったときにダイスを振ってさぁどうしよう、っていう事なんですけど。
ただ、今回は湖の精霊・イーシィが出てきたから話はよかったんですが、「キャラ独りで行動の可能性が完結しかねない」という欠点があります、このシステム。
なので、どこかのタイミングで、もうひとりの相方的なキャラを操作する必要があるのですが、それってソロプレイとしてやりにくくないか?という懸念があります。そこはもうちょっと詰めます。
あと、NUK分岐システムですが、基本、ダイスの目の数と対応出来れば、行動パターンは3つ以上にしてもいいんですが……。
しかし16面ダイスとかになると、やっぱりそれぞれの出目に対応する行動パターンを作るのが手間ですよね。それだけ行動パターンを増やすと、ゲームのシンプルな攻撃力が失われそうですし。
やっぱり基本は呑む、打つ、買うという路線の3つの行動、で行動パターンを定めたほうが良さげです。
キギフィ・シロップ
……北方の町・ほうき星町在住。最強の金髪美少女。もと、特殊部隊GMP3(じーえむぴーすりー)の切込みエース。得物は槍とハンドガンとメカ般若の面。
のんきな性格、呑兵衛な生態。何度も言うが顔が良い。顔が良すぎる。最強だ。
現代編「ほうき星町シリーズ」の脇役筆頭の美少女。フレアの家(湖畔の高台の家)の居候3号。仮面ライダーじゃないんだから。
キギフィ・シロップというのは、本名ではない。GMP3の時のコードネームで、古代語で「小鳥」(Kig-Ify)。シロップというのは、自分と幼馴染の委員長が、ともに好んでいたパンケーキに由来する。つまりは偽名である。そして、本名を知っている者は、もはやこの世に誰ひとり居ない。
もう少し言えば、正確な偽名としては「キギフィ・F(フルル)・シロップ」だそうだ。フルル、というのは前述の幼馴染の委員長の名である。だが、きちんと名乗ろうとも「これは死んだ自分の恋人の名前で、恋人な彼女は今も幽霊となって私の背後にしばしば居て……」という説明を、誰が聞きたがるのだ、っていう話である。
作者、あまりこいつ、過去にとらわれない人間だと思っていたが、いいんちょ関連のノスタルジアには妙に固執するな、と気づくの巻。
趣味は飲酒。飲酒に関して凄い。量が。とても陽気な飲みっぷりなので迷惑になる事ぁないが、それにしたってな量である。
とてものんきで鷹揚な性格で、いつも自然体で、かつ圧倒的な美形なので、ごく一部のどうしようもない嫉妬メン以外は、だいたいキギフィの事を好く。
仕事をしているようには見えないが、ほうき星町でイラストレーターをやっている。意外と絵がうまいのである。
たまに、暗い早朝に、湖畔を歩いて、漂着物で遊ぶ。(ビーチコーミングという)
人間(にしては)最強レベルの体術、射撃術、槍術。特殊部隊仕込みの毒無効の体。それとはまったく無関係の美貌。ほうき星町の住人の例によって、トンチキ性能であるが、どうせほうき星町住人なので、こいつもまた暇人である。てことは、こいつはほうき星町的にはいたって凡人なのか……?
キギ「照れるなぁ。この町のひとにとって、【暇な凡人】って誉め言葉じゃん」
ほめてねーよ。
彼女は過去を語らない。ほうき星町の連中は大体において語らないが。
キギフィは自分の過去を「語るべくもない」と思っている。価値を見出していない。いまをのんきに過ごせれば、それで重畳、というところだ。やはり、とてもほうき星町の人間らしい。
だが彼女の美貌と世界最強は、やはりa Starlight of the worldなわけである。世界はどうしたってキギフィを放ってはおかないだろう。そんな面倒くささを彼女は理解している。
理解しているが、疲れる。うむ、やはり、ほうき星町の人間らしい。
キギ「まあ、とくに不満はないよ」
月に溶けながら、そう語る相貌は、やはり美しい。