キギフィの夜
レッズ・エララ人物名鑑(現代編)
キギフィ・シロップ
……北方の町・ほうき星町在住。最強の金髪美少女。もと、特殊部隊GMP3(じーえむぴーすりー)の切込みエース。得物は槍とハンドガンとメカ般若の面。
のんきな性格、呑兵衛な生態。何度も言うが顔が良い。顔が良すぎる。最強だ。
現代編「ほうき星町シリーズ」の脇役筆頭の美少女。フレアの家(湖畔の高台の家)の居候3号。仮面ライダーじゃないんだから。
キギフィ・シロップというのは、本名ではない。GMP3の時のコードネームで、古代語で「小鳥」(Kig-Ify)。シロップというのは、自分と幼馴染の委員長が、ともに好んでいたパンケーキに由来する。つまりは偽名である。そして、本名を知っている者は、もはやこの世に誰ひとり居ない。
もう少し言えば、正確な偽名としては「キギフィ・F(フルル)・シロップ」だそうだ。フルル、というのは前述の幼馴染の委員長の名である。だが、きちんと名乗ろうとも「これは死んだ自分の恋人の名前で、恋人な彼女は今も幽霊となって私の背後にしばしば居て……」という説明を、誰が聞きたがるのだ、っていう話である。
作者、あまりこいつ、過去にとらわれない人間だと思っていたが、いいんちょ関連のノスタルジアには妙に固執するな、と気づくの巻。
趣味は飲酒。飲酒に関して凄い。量が。とても陽気な飲みっぷりなので迷惑になる事ぁないが、それにしたってな量である。
とてものんきで鷹揚な性格で、いつも自然体で、かつ圧倒的な美形なので、ごく一部のどうしようもない嫉妬メン以外は、だいたいキギフィの事を好く。
仕事をしているようには見えないが、ほうき星町でイラストレーターをやっている。意外と絵がうまいのである。
たまに、暗い早朝に、湖畔を歩いて、漂着物で遊ぶ。(ビーチコーミングという)
人間(にしては)最強レベルの体術、射撃術、槍術。特殊部隊仕込みの毒無効の体。それとはまったく無関係の美貌。ほうき星町の住人の例によって、トンチキ性能であるが、どうせほうき星町住人なので、こいつもまた暇人である。てことは、こいつはほうき星町的にはいたって凡人なのか……?
キギ「照れるなぁ。この町のひとにとって、【暇な凡人】って誉め言葉じゃん」
ほめてねーよ。
彼女は過去を語らない。ほうき星町の連中は大体において語らないが。
キギフィは自分の過去を「語るべくもない」と思っている。価値を見出していない。いまをのんきに過ごせれば、それで重畳、というところだ。やはり、とてもほうき星町の人間らしい。
だが彼女の美貌と世界最強は、やはりa Starlight of the worldなわけである。世界はどうしたってキギフィを放ってはおかないだろう。そんな面倒くささを彼女は理解している。
理解しているが、疲れる。うむ、やはり、ほうき星町の人間らしい。
キギ「まあ、とくに不満はないよ」
月に溶けながら、そう語る相貌は、やはり美しい。